厚生労働省(MHLW)から医薬品医療機器総合機構(PMDA)への業務移管の都合で、医療機器の回収情報は2019年度以降はPMDA、それ以前は厚労省のホームページに掲載されています。
最新情報はPMDA
医療機器の回収・改修に係る最新の情報はPMDAのウェブサイトで確認できます。
新しく回収・改修・患者モニタリング等が届け出られるとPMDAの専用ページに掲載されます。
並行して、PMDAメディナビというメール配信サービスでも情報が提供されます。
医療機器は過去情報も重要
医療機器には単回使用や数回使用で捨てられる診療材料と、何度も繰り返し使われる機械装置があります。その中間的要素を持つペースメーカーなどの植込型医療機器もあります。
単回使用品には一般的に使用期限や滅菌期限が設けられており、数年で廃棄されると想定されます。
一方で機械装置は10年くらいは普通に使われ、20年前の装置でも院内には残っている場合があります。
医療機器の場合、5年前に出た回収情報も陳腐化していない場合があります。
メーカーの努力に限界
機械装置系のメーカーでは、販売した機器がどこの医療機関にあるかだいたい把握しています。
しかしながら、全数を完璧に把握という訳ではなく、想定した場所に存在しないこともあります。
回収/改修情報が出るとメーカーは保有しているであろう医療機関にアクセスして状況を説明し、随時対応していきます。
全数が確認されれば『回収終了』と宣言できますが、1台でも漏れがあれば終了宣言は出せません。
例えば2つの病院が合併したとき、院内の台帳が1つにまとまらず、院内で所在不明という事があります。もしかすると旧病院に置いて来て、そのまま廃棄されたかもしれないが、院内のどこかで使われ続けているかもしれないという状況です。
こうなると、メーカーがどれだけ頑張っても、見つかりません。
移管前データは厚労省ウェブサイト
過去の情報を確認したいとき、PMDAのホームページに備えられた一覧表や検索エンジンでは見つかりません。
具体的には2018年度から前はPMDAではなく、厚生労働省のウェブサイトに残されています。
今後も掲載が続く事を期待しますが、ウェブサイトのリニューアルでアドレスが変更されてしまうことがあるので、何かの拍子に見つけづらくなることはあると思います。
厚生労働省:平成30年度(2018年度)以前の自主回収の状況
2018年度以前は検索機能なし
2018年度以前のデータは、見るからにデータベースを参照したページではあるのですが、それを検索できる機能はありません。
現在の厚労省のウェブサイトは文字に『SHIFT-JIS』を使っていますが、回収情報の一覧ページは『EUC-JP』を使っています。
下記リンクを開くと、ブラウザの設定によっては文字化けすると思います。文字コードが『EUC-JP』になっている事が原因ですので、ブラウザの設定をECU-JPに変更できれば、表示可能です。
最近の主流は『UTF-8』だということで、当サイトはUTF-8でデータベースサイトなども構築しています。
厚生労働省:医療機器回収の概要 弾性ストッキング
※.EUC-JPによる文字化けの事例
データーベースツクール
データベースとして検索性が無いのであれば、検索性のあるデータベースを新たに構築するしかないと考えて、創り始めました。
この記事の執筆時点では2018年度分は登録を終えていますが、それ以前はまだ未掲載です。
PMDAとMHLWのシームレスDB
他に存在しなければ唯一無二のデータベースとなりますが、厚労省が管理している2018年以前のデータと、PMDAが管理している2019年度以降のデータを、同じデータベース上に登録しました。
これにより、管理が別々で同時検索できなかったものが、同時に検索できるようになりました。
さかのぼれるところまでデータを追って、少しでも現場に役立つデータベースを作ろうと思います。
おわりに
今回はデータベースのシームレス化について取り上げました。
国民から見れば厚生労働省でもPMDAでも良いので、回収情報は一元管理していただきたいのですが、簡単な話でもなさそうです。
データさえ見れれば良い訳ですから、こちらでデータをひとまとめにすれば、課題は解消されます。
今回、そのプラットフォームを作るところまではでき、運用も始めることができました。
あとはデータ登録だけですが、これが数千もの回収情報となるとすぐには終わりません。早く終わらせるよう、努力します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。