ポテト品薄
2021年のクリスマス商戦でアメリカは、コンテナ船がカリフォルニア沖で渋滞し、荷が入らずに売り物がないというお店が続出しました。
船便の遅延は他にもカナダのバンクーバーが水害で損傷した影響など各地で発生しました。
このコロナでコンテナ不足が深刻化していることも物流停滞に大きなダメージを与えています。
日本で話題になったのは『マックフライポテト』の品薄状態です。
ライセンスの関係もあるので他国に切替ができないのだと思いますが『マックフライポテト』のMサイズとLサイズが一時販売中止、Sサイズのみの提供となりました。
当社が北米から輸入しているポテトについて、船便の経由地であるカナダ・バンクーバー港近郊での大規模な水害、およびコロナ禍が与える世界的な物流網への影響により、輸入遅延が発生しております。
日本マクドナルドホールディングス:北米からのポテトの輸入遅延に伴う「マックフライポテト®」MおよびLサイズの一時販売制限について
【参考】北米からのポテトの輸入遅延に伴う「マックフライポテト®」MおよびLサイズの一時販売制限について~ 全国の店舗でSサイズのみ販売します ~(2021年12月21日)
【参考】北米からのポテトの輸入遅延に伴う一時的な「マックフライポテト®」Sサイズのみの販売について~2022年1月9日(日)より1か月程度~(2022年1月7日)
マクドナルド以外でも
ハンバーガーショップではなく、ハンバーグ屋さんの『びっくりドンキー』でもポテトの品薄が発生しました。
当社がヨーロッパから輸入しているポテトについて、新型コロナウイルスの影響による国際物流の混乱と港湾の混雑悪化に伴い、船の入港が大幅に遅延しております。コンテナ船が到着し準備が出来次第、販売を再開できる見込みです。
アレフ:「びっくりフライドポテト」の一時販売休止について
こちらはヨーロッパからの輸入品が届かないという理由でした。北海道の会社なので北海道産かと思いきや、ハンバーグに合うポテトは海外製なのでしょうか。
【参考】「びっくりフライドポテト」の一時販売休止について(2021年12月29日)
【参考】NHK:販売休止も!?フライドポテト どうなっているの?
スキを突いたフレッシュネスバーガー
ポテトが品薄という中、1月14日の朝刊に『ポテト25%増量』という文字が並びました。
打ち出したのは『FRESHNESS BURGER』です。
公式サイトでは167店舗(2018年)ということですが、もう4年も前の情報から更新されていないのでたぶん170店舗は超えているとは思います。
マクドナルドは2022年1月現在で2,942店舗、数でだいぶ差がありますが、品薄と言われるポテトを増量して販売するというフレッシュネスバーガーの調達力は素晴らしいなと思います。
【参考】日本経済新聞:フレッシュネス、ポテト25%増量(2022年1月14日)
宣伝効果大
ポテトを25%増量を実践中のフレッシュネスバーガーさんの『北海道産フライドポテト』はRが280円、Lが380円です。
280円の25%は70円、380円なら95円です。
原価3割と見てポテトが1個売れるごとに30円前後の持ち出しになります。全店舗で300個ずつ売ると1日5万個、150万円くらいの持ち出しという事になります。
芋の原価なのでここまでかからないと思いますが、仮に150万円の持ち出しが1カ月続いても5千万円くらいです。
25%増量の発表があった1月13日前後だけでもテレビや新聞、ネットニュースなどでたくさん取り上げられ、さらに他社が再販延期などポテトの話題に触れるたびに比較対象としてフレッシュネスバーガーが出されたので、宣伝効果は大きいと思います。
日テレとフジテレビでCMを流すと15秒で100万円でしょうか。全国のニュースとして流れれば関西も九州もどこでもCM料なしで放送されますので、仮に15秒しか流れなかったとしても数千万円の効果があります。
日テレNEWSのサイトを見るとポテトの話題は2分もありましたし、視聴者はニュース本編として興味を持ってみている人も多い事から、費用対効果が抜群に良い25%増量だったと思います。
TV
日テレNEWS:“ポテト難民”お客さまの声に…25%増量(2022年1月15日)
FNNプライムオンライン:品不足続く「フライドポテト」 25%増量や通常通り提供できる店も…北海道産ジャガイモに注目(2022年1月29日)
新聞
日本経済新聞:フレッシュネス、北海道産ポテト25%増量 期間限定(2022年1月13日)
読売新聞:うちはポテト増量します…北海道産利用のフレッシュネスバーガー、期間限定で25%(2022年1月13日)
東京新聞:外食で「ポテト戦争」勃発 マックの販売制限が契機 増量や割引相次ぐ(2022年1月29日)
ネットニュース
ITmediaビジネス:フレッシュネスバーガー、ポテト25%増量キャンペーンを実施 ポテト難民を救いたい(2022年1月13日)
HUFFPOST:フレッシュネスバーガーがポテト増量。マクドナルドに対抗? ポテトロスを救えるか(2022年1月14日)
アスキーグルメ:「大盛ポテトあります!」 フレッシュネス、北海道産ポテト25%増量キャンペーン(2022年1月15日)
Yahoo!ニュース:“ポテト難民”お客さまの声に…25%増量(2022年1月15日)
コロナ禍の航空業界
航空会社の利益が出ているかどうかはさておき、航空機への搭乗者は減っていることは確かです。
筆者も年50回くらい飛行機に乗っていましたが、COVID-19流行拡大後は2年で数回という程度です。
遊休機体は増え、新規調達は激減していると思います。
飛ばない飛行機は整備しないとなれば整備士は余ります。
客室乗務員や操縦士も、グランドスタッフも仕事が減っていると思います。
そうした中で、新たに航空事業を立ち上げようという人が多いというニュースがありました。
『逆境』や『どん底』などと言われると、それをチャンスと捉える人が居るのは過去を振り返っても同じことが言えますが、航空業界となると規制が厳しく、維持費も大きく、そしてテレワークなどが定着した時代にどれだけの需要を発掘できるか不透明な中で、200社も創業しているのは驚きです。
【参考】日本経済新聞:航空、世界で200社創業 コロナ禍で人員・機材割安に(2022年2月19日)
【参考】日本経済新聞:JAL、2月の国内線を追加減便 運航率68%に(2022年2月1日)
【参考】日本経済新聞:JAL、来月国内線4991便追加減便(2022年1月26日)
【参考】日本経済新聞:ANA、2月に2割減便 新型コロナ再拡大で需要低迷(2022年1月24日)
【参考】日本経済新聞:ANAとスカイマーク、追加減便(2022年2月1日)
スマホゲームの寸隙
スマホゲームと言えば日本でもDeNAやガンホー、コロプラなどTVCMもどんどん流せるほどの売上があることで知られています。
世界市場では8兆円ともいわれている、ここしばらくは成長を続けている産業です。
COVID-19の巣ごもり需要でいまも好調ではありますが、2020年春に少し停滞した時期がありました。
それは通勤者の激減です。
通勤中の電車内でスマホゲームをしていた人が、テレワークになってゲームをする時間が無くなったことで、課金ユーザーが離れて行ったそうです。
逆にNintendo Switchは品薄、あつまれどうぶつの森も品薄、どちらも抽選販売が数か月は続きました。
医療業界は隙だらけ
医療は規制産業ゆえに、隙もたくさんあります。
良かれと思うデバイスやサービスであっても、法規制をクリアするための労力や費用を考えると実現できない、というものがたくさんあります。
医療機器を規制する法律(通称薬機法)では、原則として有効性と安全性を示す必要があります。
シーツや綿棒のように、人に働きかける能動的な有効性がないような製品でも、安全性は担保しなければなりません。
逆に、メスのように明らかに身体を傷つける危険性があるものでも、有効性があり、感染症対策などの安全性が担保されれば承認されます。
『ボタンを押すだけでできる』『家庭でもできる』などを謳いたい製品もたくさんあると思いますが、諸事情により製品化されていないものがあります。
そうした物を見つけて事業化することは、競合が不在なので意外とすんなり売れて行くかもしれません。
健診の隙間
お勤め中の方々は、会社から半ば強制的に健康診査を受けるように段取りされて、毎年受診しているのではないでしょうか。
テレワークが増えたいま、オフィスを持たないビジネススタイルが広がり、会社にレントゲンバスが来て集団健診するというスタイルも変化しています。
病院併設の健診センターで受診する人も増えているようですが生産年齢人口が減少するいま、新規開設にはあまり積極的になれないと思います。
自宅に居ながら健診が受けられれば、どこに住んでいようが、どんなライフスタイルだろうが関係なくなります。
そこで問題になるのが、真偽に疑いがなく、精度の高い検査の実施です。
真偽とはすなわち成りすましです。悪い結果が出て再検査になりたくないという人がやってしまいそうですが、悪い結果だからこそ知っておくべきだと思います。
精度については、血圧1つとってみても、家庭用の血圧計が正確に測定できている保証はどこにもありません。
健診センターなどでは20mLほどの採血をしていますが、在宅で自己採血するとなれば1滴の血液がやっと、何mLも採血するというのは難しいでしょう。
色々と難しい事があるから実施されていない在宅健診ですが、その課題を解決できれば一定の市場は確保できると思います。
まずは海外に駐在している日本人スタッフに、日本と同じ水準の健診を受けてもらうというだけでも数万人単位の市場があるのではないかと思います。
隙を見つけるプロ
プロが居るのかわかりませんが、得意としている人は居ます。
大学病院に勤める友人は、いつもこのような事を考えながら仕事をしているので、ネタの宝庫です。
わざわざ大学病院まで来なくても受けられば良いと思える検査や治療もありますし、そもそも医療機関に来る必要も無さそうなことでも、現状では自己判断できないので受診せざるを得ないということがあります。
医師や看護師の仕事を奪うのではなく、パラダイムシフトとでも言いますか、オフィスがテレワークになったように、病院以外で診断や治療が行われる、そういう時代が来るかもしれないと考えて向き合うと良いのではないかと思います。